31 ニラカイ 冷たい風が吹いた。両腕の表面から体温だけ奪っていくような風だった。半袖だから寒い、と言うと、龍は私の鞄からカーディガンを取り出し、肩にかけてくれた。そのあとで、背中の真ん中あたりまで伸びた黒髪を整えてくれた。掌は顔立ちを […] 2025年8月31日
31 ニラカイ 冷たい風が吹いた。両腕の表面から体温だけ奪っていくような風だった。半袖だから寒い、と言うと、龍は私の鞄からカーディガンを取り出し、肩にかけてくれた。そのあとで、背中の真ん中あたりまで伸びた黒髪を整えてくれた。掌は顔立ちを […] 2025年8月31日